はじめに
猛暑の影響で、今夏のエアコン利用時間が過去最高を記録しました。しかし、多くの方がエアコンのお手入れを怠っていることが分かりました。パナソニックの調査では、45%の人が秋のエアコンのお手入れ(「夏じまい」)を行っていないことが明らかになりました。エアコン内部にホコリやカビ菌、湿気が溜まると、冬の暖房時にカビが吹き出してしまう可能性があります。そこで今回は、エアコンの夏じまい方法について詳しく解説します。
夏じまいの重要性
夏の終わりにエアコンの掃除をすることは非常に重要です。エアコン内部は冷房運転時に高湿度になり、カビの繁殖に適した環境となります。適切なお手入れを怠ると、次のような問題が発生する可能性があります。
カビの発生と健康被害
エアコン内部のホコリや湿気がカビの発生原因となります。カビが暖房と一緒に室内に吹き出されると、アレルギー症状の悪化や呼吸器系の疾患のリスクが高まります。定期的なお手入れで、カビの発生を防ぎましょう。
フィルターにもカビやダニが繁殖しやすいため、2週間に1回の頻度で掃除することをおすすめします。また、内部クリーン機能の活用も有効です。
エアコンの性能低下と電気代増加
ホコリの溜まったフィルターは、風の通りを悪くしエアコンの効率を低下させます。パナソニックの実験では、1年間フィルターの掃除を怠ると消費電力量が約25%も増加したそうです。これは年間で1万円以上の電気代の無駄遣いにもなります。
また、内部の汚れが原因で熱交換性能が低下すると、設定温度に達するまでに時間がかかり、余計に電気代がかさむ可能性があります。
悪臭の発生
エアコン内部のカビやホコリ、結露した水分が原因で、悪臭が発生することがあります。この臭いは室内に流れ込み、快適な生活環境を阻害します。
特にキッチン周辺のエアコンは、油分の汚れにも注意が必要です。この油分が熱で酸化すると、強い臭いが発生する可能性があります。
夏じまいの方法
エアコンの夏じまいには、定期的なフィルターの掃除と内部のクリーニングが重要です。パナソニックのエアーマイスターが推奨する具体的な手順は次の通りです。
フィルターの掃除
フィルターの汚れは、掃除機で吸い取るのが一般的です。ただし、水洗いも可能なフィルターもあるので、取扱説明書をよく確認しましょう。
フィルターの掃除は、窓を開けて換気しながら行うと良いでしょう。マスクの着用も忘れずに。
内部クリーン機能の活用
最近のエアコンには便利な内部クリーン機能が搭載されています。例えば、パナソニックのエオリアシリーズには「ナノイーX内部クリーン」機能があり、運転後に熱交換器を加熱乾燥させてカビ菌を除菌します。
取扱説明書を参考に、この機能を上手に活用しましょう。
内部の拭き掃除
見える範囲の汚れは、ぬるま湯に浸した雑巾で拭き取ります。内部のクリーニングを自分で行うのは危険なため、専門業者に依頼することをおすすめします。
特にキッチン周辺のエアコンは、油分の汚れが目立つため、重点的に拭き掃除する必要があります。
送風運転の活用
エアコン内部を乾燥させるには、送風運転を活用するのが効果的です。取扱説明書に従って、運転モードを切り替えましょう。
乾燥させることで、カビの発生を防ぐことができます。
夏じまいのタイミング
ではいつ頃夏じまいを行うべきでしょうか。専門家からは次のようなアドバイスがあります。
秋の到来前に実施
暖房シーズンが到来する前に、夏じまいを済ませておくことが理想的です。季節の変わり目にあわせてエアコンのお手入れを行えば、ホコリの溜まりにくい快適な冬を過ごせます。
寒暖の差が激しい時期
外気温の変化が大きい時期は、エアコンの負荷も高くなります。秋口は日中と夜間の寒暖差が激しいため、エアコンの手入れを行う適切なタイミングといえるでしょう。
長期間使用後
エアコンを長期間使用していた場合は、積極的な夏じまいが必要です。利用時間が長ければ長いほど、内部にゴミやホコリ、湿気が溜まりやすくなるためです。
冬のエアコン使用に向けて
夏じまいを終えたら、次は冬の暖房シーズンに向けた準備が必要です。快適で健康的な暖房を実現するためのポイントをご紹介します。
暖房前の試運転
暖房シーズンが到来する前に、必ずエアコンの試運転を行いましょう。ブレーカーのチェック、リモコンの動作確認、エラー表示の有無などを確認します。
異常がある場合は早めに専門業者に修理を依頼しましょう。冬の暖房が使えない事態を避けられます。
設定温度の最適化
暖房時の設定温度は、20℃前後がおすすめです。18℃以下は体に良くないだけでなく、無駄な電力消費につながります。
また、部屋の様子を見ながら風量や風向きを調節し、温度ムラをなくすよう心がけましょう。
室外機周辺の日除け対策
室外機の周辺温度が高いほど、エアコンの暖房効率が上がります。そのため、日よけカバーは冬場は外しておくことをおすすめします。
また、室外機の周りに雪や落ち葉が溜まらないよう、定期的な掃除を心がけましょう。
まとめ
今回は、エアコンの夏じまいについて様々な側面から解説しました。夏のエアコン利用後は、必ずお手入れを行うことが重要です。フィルターの掃除、内部クリーン機能の活用、拭き掃除などを怠らず、しっかりとした夏じまいを心がけましょう。
カビの発生を防ぎ、エアコンを清潔に保つことで、健康的な生活環境を維持できます。さらに、性能低下を防ぎ電気代の無駄も抑えられます。夏じまいは、エアコンを長持ちさせ快適に使い続けるためにも欠かせません。
次は冬の暖房シーズンに向けて、室外機周辺の日除け対策や試運転、設定温度の調整など、様々な準備が必要となります。夏じまいと合わせて、エアコンを年間を通して正しくメンテナンスすることが大切なのです。