はじめに
夏の終わりが近づくと、エアコンの使用頻度が下がってきます。しかし、そのままエアコンを放置すれば、カビの発生や故障の原因になりかねません。そこで、エアコンの「夏じまい」が重要になってきます。本記事では、ダイキン工業株式会社の調査結果と専門家のアドバイスを元に、エアコンの夏じまいについて詳しく解説していきます。
ダイキンの調査結果
ダイキン工業の調査によると、コロナ禍で在宅時間が増えたことにより、2021年夏のエアコン使用時間が2019年夏と比べて1日平均約6時間も増加していたことがわかりました。一方で、フィルター掃除を十分に行っている人は全体の1割未満、冷房使用後の室内機内部の乾燥運転を行っている人も3人に1人程度にすぎないことが明らかになりました。
フィルター掃除の重要性
エアコンのフィルターは、ホコリや花粉などの空気中の汚れを取り除く重要な役割を担っています。フィルターが汚れていると、エアコンの性能が低下し、電気代の増加や不快なニオイの発生につながる可能性があります。そのため、定期的なフィルター掃除が欠かせません。
フィルターの掃除方法は、機種によって異なりますが、一般的には水洗いが有効です。中性洗剤を使って洗浄し、十分に水切りをした後、日光で乾燥させましょう。フィルターの汚れが気になる場合は、交換を検討するのもよいでしょう。
乾燥運転の効果
エアコンの室内機内部は、冷房運転時に結露が発生します。この結露水が残っていると、カビが発生しやすくなります。そのため、使用後は必ず乾燥運転を行い、内部の水分を飛ばすことが大切です。
ダイキンのエアコンには、「内部クリーン運転」という機能が搭載されています。この機能を使えば、室内機内部の水分を効果的に除去できます。また、シーズンオフの月1回程度、送風運転を行うことで、内部のカビ予防にもなります。
夏じまいの重要ポイント
エアコンの夏じまいでは、次の3つのポイントを押さえることが大切です。
フィルター掃除と熱交換器の確認
まずは、フィルターを取り外して掃除をします。熱交換器の汚れも確認し、必要に応じて清掃しましょう。熱交換器の汚れが放置されると、エアコンの性能が低下する原因になります。
フィルターと熱交換器の掃除を行うことで、翌年の夏も快適な冷房環境を実現できます。また、電気代の節約にもつながります。
室外機周辺の点検
室外機の背面に異物が付着していないか、周りにゴミなどが溜まっていないかを確認しましょう。異物やゴミがあると、空気の流れが悪くなり、エアコンの性能が低下してしまいます。
室外機の周りは、定期的に掃除することが重要です。また、日陰に設置するか、植木や簾を設置して日陰を作ることで、効率的な運転が可能になります。
試運転の実施
掃除が終わったら、試運転を行いましょう。温風の吹き出し、異常ランプの点灯、異臭や異音の有無を確認します。万一不具合があれば、プロに依頼してメンテナンスを行うことをおすすめします。
試運転を行うことで、冬の暖房シーズンに備えることができます。小さな手間を惜しまず、エアコンを適切に管理することが大切です。
プロによるメンテナンス
エアコンの夏じまいは、自分でも行えますが、プロによるメンテナンスを受けることをおすすめします。
内部のクリーニング
プロによるメンテナンスでは、エアコンの内部をバラして徹底的にクリーニングを行います。一般家庭では行えない、細かな部分までの掃除が可能です。
内部のクリーニングを行うことで、カビの発生を抑え、エアコンの性能を維持することができます。また、ニオイの発生も防げます。
部品の点検
プロによるメンテナンスでは、部品の点検も行われます。磨耗した部品があれば、交換を行います。
部品の点検と交換を怠ると、エアコンの故障や寿命の短縮につながる可能性があります。定期的なメンテナンスで、長期的な使用を実現しましょう。
フロン補充
エアコンは、冷媒としてフロンガスを使用しています。フロンガスが不足すると、冷房能力が低下してしまいます。
プロによるメンテナンスでは、フロンガスの量を確認し、不足していれば補充を行います。フロンガスが適切な量であれば、省エネ運転が可能になります。
夏じまいのタイミング
エアコンの夏じまいは、秋が適したタイミングとされています。具体的には、9月から11月ごろが目安となります。
夏の終わりに行う理由
夏の終わりに夏じまいを行う理由は、次の2点が挙げられます。
- 長期間放置すると、内部にカビが発生しやすくなる
- 冬の暖房シーズンに備えて、エアコンを適切な状態に整える
エアコンの内部に湿気が残っていると、カビが繁殖しやすくなります。そのため、夏の終わりにエアコンの内部を乾燥させ、清掃を行うことが重要なのです。
プロによるメンテナンスのタイミング
プロによるメンテナンスは、通常の夏じまいよりも少し早めに行うことをおすすめします。9月から10月ごろがベストなタイミングとされています。
プロによるメンテナンスを早めに受けることで、冬の暖房シーズンに備えた準備が整います。また、混雑を避けられるため、スムーズにメンテナンスを受けられるでしょう。
まとめ
エアコンの夏じまいは、快適な冬の暖房シーズンを迎えるために欠かせない作業です。フィルター掃除や内部クリーニング、室外機の点検など、自分でも行える作業から、プロによるメンテナンスまで、様々な方法があります。
夏の終わりが近づいたら、早めにエアコンの夏じまいを行いましょう。小さな手間をかけることで、翌年の夏も快適に過ごせるはずです。また、長期的な視点に立てば、エアコンの寿命を延ばし、コスト削減にもつながります。ダイキン工業の提案を参考に、エアコンの適切な管理に心がけましょう。