はじめに
お風呂場は暖かく湿った環境なので、カビが発生しやすい場所です。カビは見た目が気持ち悪いだけでなく、健康被害の原因にもなるため、対策が欠かせません。この記事では、お風呂のカビについて基本的な知識から対策方法まで、詳しく解説していきます。
カビの種類と特徴
お風呂場で発生するカビには、主に黒カビとピンクヌメリ(赤カビ)の2種類があります。それぞれのカビの特徴を知ることが、適切な対策を立てるための第一歩となります。
黒カビ
黒カビは、その名の通り黒い色をしたカビです。温度が20~30度、湿度が高く、皮脂や石鹸カス等の栄養源があると、繁殖しやすくなります。黒カビは根を張って浴室の壁や床に食い込むため、放置すると取り除くのが非常に難しくなります。また、黒カビの胞子を吸い込むと、アレルギー症状やぜんそく発作を引き起こすことがあり、健康被害の心配があります。
黒カビの特徴は以下の通りです。
- 色が黒い
- 根を張って頑固に残る
- 健康被害の可能性がある
- 温度が20~30度の環境で発生しやすい
- 湿度が高い環境で発生しやすい
- 皮脂や石鹸カスの栄養源があると繁殖しやすい
ピンクヌメリ(赤カビ)
ピンクヌメリは酵母菌の一種で、ピンク色のスポットになって発生します。油分や皮脂などの栄養分があると急速に繁殖するのが特徴です。黒カビほど健康被害の心配はありませんが、見た目が気持ち悪く、シャワーやお風呂を毎回楽しめなくなってしまいます。また、ピンクヌメリは掃除をしても簡単に再発するため、対策が大変です。
ピンクヌメリの特徴は以下の通りです。
- 色がピンク色のスポット
- 油分や皮脂などの栄養分があると急速に繁殖する
- 健康被害の心配は少ない
- 繰り返し発生するため対策が大変
カビ対策の基本
お風呂のカビは一度発生してしまうと対策が大変になります。そのため、予防対策が何より重要です。ここでは、カビ対策の基本について説明します。
換気の徹底
お風呂場の換気を怠ると、湿気がこもり、カビが繁殖しやすい環境になってしまいます。入浴後は必ず換気扇を回したり、窓を開けたりして、しっかりと換気を行いましょう。また、時間が経っても湿気が取れない場合は、除湿機を使うのも効果的です。
換気を怠ると、黒カビやピンクヌメリが発生しやすくなるだけでなく、浴室の寿命が縮まるおそれもあります。日頃からの換気は、カビ対策の基本中の基本なのです。
水気の除去
入浴後は、浴室の水はけが悪い場所や、すみずみに残った水気を拭き取りましょう。特に排水口の周りや浴槽の内側は、水気が残りやすいため注意が必要です。水気を残したままにしておくと、カビが発生しやすくなります。
水気の拭き取りは面倒かもしれませんが、定期的な掃除と合わせて行えば、カビが繁殖しにくい環境を作れます。拭き取りに使う雑巾やタオルは、使用後に干して乾燥させましょう。
定期的な掃除
カビの発生を防ぐためには、定期的な浴室の掃除が欠かせません。入浴後に流したシャワーだけではカビが繁殖してしまうので、週に1回程度は、浴室用の洗剤を使って念入りな掃除を行うことをおすすめします。
特に注意が必要なのは、排水口、浴槽、浴室の隅々などです。皮脂や石鹸カスが残りやすく、カビが発生しがちな場所なのでしっかりと掃除をしましょう。また、拭き上げた後は、必ず換気を行うことを忘れずに。
カビ取りの方法
予防対策を怠ると、いつかはカビが発生してしまいます。カビを放置すれば、さらに広がって取り除くのが大変になるため、早めの対処が重要です。ここでは、カビを取り除く方法を紹介します。
カビ取り剤の選び方
カビを取り除くには、まずカビ取り剤を適切に選ぶ必要があります。カビ取り剤にはいくつかの種類があり、それぞれ特徴が異なります。
カビ取り剤の種類 | 特徴 |
---|---|
塩素系 | カビ取り効果が高いが、刺激が強く、取り扱いに注意が必要。 |
酸素系 | 刺激が弱いが、頑固なカビには効果が低い。 |
重曹 | 安全で環境に優しいが、洗浄力が弱い。 |
黒カビなど頑固なカビを取り除く場合は、塩素系の強力なカビ取り剤を選びましょう。ただし、取り扱いには十分な注意が必要です。一方、酸素系や重曹は、刺激が弱く安全なため、軽度のカビ取りや、お子様やペットがいる家庭で使うのに適しています。
ラップパック法
カビ取り剤を使う際は、一般的に「ラップパック法」がおすすめです。この方法では、カビ取り剤をカビの部分に直接スプレーし、その上からラップやキッチンペーパーを被せてパックを作ります。これにより、カビ取り剤がカビにしっかりと密着するため、根本からカビを取り除くことができます。
ラップパックの作り方は以下の通りです。
- カビの部分を水で軽く湿らせる
- カビ取り剤をスプレーし、カビ全体をおおう
- ラップやキッチンペーパーをカビの上にかぶせる
- しばらく(軽度なカビなら5分程度、頑固なカビなら30分程度)放置する
- ラップを外し、掃除ブラシなどでこすり洗いする
- しっかりと水で洗い流す
ラップパック法は手軽にできるだけでなく、カビ取り効果が高いので、ぜひ試してみてください。
カビ取り剤以外の方法
カビ取り剤がなくてもカビを取ることはできます。代用品として、以下のようなものを使うことができます。
- 酢
- クエン酸
- 重曹
- 食用油
例えば、酢にクエン酸を加えた液をカビにスプレーして放置すると、カビが取れやすくなります。また、重曹を水に溶かしてペースト状にし、カビの部分に塗って放置するのも一つの方法です。食用油を塗布してから拭き取れば、簡単にカビが取れる場合もあります。
ただし、これらの方法では効果が劣る場合もあり、頑固なカビには対処できないことがあります。カビがひどい場合は、やはりカビ取り剤の使用をおすすめします。
おすすめのカビ取り剤
数多くのカビ取り剤が販売されていますが、その中でもおすすめの商品をいくつか紹介します。
ルックプラスカビキラー
強力な塩素系のカビ取り剤で、ジェルタイプなので細かい部分の掃除に最適です。密着性が高く、しつこいカビも短時間で分解できます。ただし、刺激が強いので、使用時の換気や保護具の着用には十分気をつける必要があります。
浴室の排水口や浴槽のカビ、シャワーホースのカビ掃除に効果的で、ピンクヌメリの除去にも優れています。ルックプラスのCMでも話題になった人気商品で、買ってよかったという口コミが多数あります。
カビハイター
カビハイターは、カビ取り剤の代表格と言えるブランドです。塩素系漂白剤なので強力なカビ取り効果があり、薄めて使うスプレータイプもあって使いやすいです。頑固なカビを根こそぎ除去することができるのが特徴です。
ただし、猛烈な漂白力がある分、取り扱いには注意が必要で、金属やプラスチックなどが傷む可能性もあります。浴室のタイルやサッシ、排水口など、頑固なカビの掃除に適しています。
ブリリアンスカビ取りジェル
ブリリアンスカビ取りジェルは、ジェルタイプのカビ取り剤です。ジェルが泡立ってカビに密着し、浸透性が高いのが特徴です。においも比較的弱く、酸素系なので子供やペットのいる家庭でも安心して使えます。
また、ラップパック法との相性がよく、一度ジェルを塗布してラップをかぶせるだけで、数時間後には根こそぎカビを除去できます。浴室のタイルやサッシといった小さな隙間のカビ掃除にも便利で、優れたコストパフォーマンスです。
まとめ
カビが発生するとお風呂場の見た目が悪くなるだけでなく、健康被害の心配もあります。カビは早期発見・早期対処が何より大切で、予防対策としては換気や水気の除去、定期的な掃除を怠らないようにすることが重要です。一度カビが発生してしまったら、適切なカビ取り剤を使ってラップパック法などで根本からカビを除去しましょう。カビ対策を怠らず、清潔で快適なお風呂場を維持していきましょう。