はじめに

ドラム式洗濯機は、私たちの生活に欠かせない家電製品の一つです。一般的には 6~7 年が寿命と言われていますが、適切なメンテナンスを行えば、ずっと長く使用することができます。本日は、ドラム式洗濯機の分解掃除について、タイミングや重要性、専門業者への依頼の際の注意点などをご紹介したいと思います。

分解掃除の必要性

ドラム式洗濯機は内部が密閉されている構造のため、長期間使用すると避けられないのが内部の汚れ溜まりです。排水口やパッキン、ドラム内部に付着した糸くずやカビ、洗濯カスなどは放置しておくと悪臭の原因となり、洗濯物への汚れや故障に繋がる恐れがあります。

ゴミやカビの蓄積

ドラム式洗濯機の使用を続けていくと、1年ほどで内部にかなりの量のゴミやカビが蓄積してしまいます。熱交換器のアルミフィンやダクト部分、中蓋の通路に綿くずやゴミが詰まり、乾燥効率の低下や悪臭の発生といった深刻な問題が生じる可能性があります。ゴムパッキンにも黒カビが生えてしまうので、洗濯物への悪影響も心配です。

このようなゴミやカビの蓄積は、定期的な分解掃除を行わないと避けられません。1年に1回は必ず分解掃除を行い、洗濯機の内部を徹底的にクリーニングすることが重要なのです。

洗濯物への影響

洗濯機の内部が汚れていると、洗濯物にも悪影響が及びます。汚れが付着したり、カビ臭がしたりするだけでなく、アレルギー症状を引き起こす原因にもなりかねません。特に赤ちゃんやお年寄り、アレルギー体質の方がいる家庭では、衛生面での注意が欠かせません。

洗濯物の衛生を守るためにも、分解掃除は欠かせないメンテナンスなのです。定期的に行うことで、清潔な洗濯環境を保ち、家族の健康を守ることができます。

故障のリスク

内部の汚れが蓄積し続けると、ドラム式洗濯機自体の故障リスクも高くなります。ゴミやカビが詰まって排水障害を起こしたり、モーターに負担がかかって焼き付いてしまったりする可能性があります。故障すれば修理代がかさみ、最悪の場合は買い替えを余儀なくされてしまいます。

定期的な分解掃除を行うことで、洗濯機の状態を良好に保ち、不具合の未然防止や修理コストの削減にもつながります。洗濯機を長く使い続けるためにも、分解掃除は欠かせないのです。

分解掃除のタイミング

ドラム式洗濯機の分解掃除は、定期的に行う必要があります。ただし、適切なタイミングはケースバイケースで異なります。一般的な目安と、状況別のおすすめタイミングをご紹介します。

一般的な目安

多くの専門家が推奨するのは、1年に1回の分解掃除です。1年を過ぎると内部の汚れが蓄積しやすく、悪臭や故障のリスクが高まるためです。家族構成や使用頻度にもよりますが、1年に1回は最低限行うべきメンテナンスと言えます。

また、2~3年に1回の分解掃除をおすすめする意見もあります。2年ごとに分解掃除を行えば、内部の汚れは比較的抑えられるでしょう。ただし、使用頻度が高い家庭の場合は1年に1回の方が無難です。

乳幼児や高齢者、アレルギー体質の方がいる場合

乳幼児や高齢者、アレルギー体質の方がいる家庭では、より高い衛生基準が求められます。そのため、1年に1回の分解掃除が最低ラインとなります。半年に1回や3ヶ月に1回といった、より頻繁なメンテナンスを行うことをおすすめします。

また、洗濯物から異臭がする、洗濯槽が臭うなどの異常があれば、すぐに分解掃除を検討するべきです。衛生面で問題がある場合は、早めの対応が肝心です。

乾燥機能付きの場合

乾燥機能付きのドラム式洗濯機は、通常の洗濯専用モデルに比べて内部の汚れが蓄積しやすい傾向にあります。そのため、1年に1回は分解掃除を行うことが推奨されています。

また、乾燥フィルターの手入れも欠かせません。乾燥フィルターはランドリーの度に掃除し、3ヶ月に1回は徹底的に分解洗浄することをおすすめします。乾燥機能を長く使い続けるためにも、こまめな手入れが大切なのです。

プロによる分解掃除

ドラム式洗濯機の分解掃除は、自分で行うのは難しく危険が伴います。そのため、専門業者に依頼することが一般的です。プロによる分解掃除の際の注意点や費用相場をご紹介します。

専門業者に依頼するメリット

専門業者に分解掃除を依頼するメリットは、以下の通りです。

• 洗濯機の分解と再組立てを的確に行える
• 強力な洗浄剤を使って徹底的に汚れを落とせる
• 工具や機材が揃っており、確実な作業が可能
• 作業中の故障に備えた保証があり、安心

一般家庭で自力で分解掃除を行うのは、部品の紛失や再組立ての失敗、洗浄が不十分になるなどのリスクがあります。プロに依頼すれば、確実な作業と良質なメンテナンスを受けられます。

業者の選び方と注意点

業者を選ぶ際は、以下の点に注意しましょう。

• 洗濯機の分解洗浄に対応しているか確認する
• 損害保険に加入しているか確認する
• 作業の内容と費用を事前に明確にする
• 実績やレビューを参考にする

特に重要なのは分解洗浄への対応と損害保険の加入です。これらが整っていないと、作業ミスのリスクや補償が受けられない可能性があります。費用面でも分解洗浄に対応していない業者は高くつく傾向にあります。

分解掃除の費用相場

ドラム式洗濯機の分解掃除の費用相場は以下の通りです。

完全に分解して徹底的に洗浄する場合は2万円以上かかりますが、部分分解や洗濯槽のみのクリーニングなら比較的リーズナブルな料金で受けられます。作業内容と費用対効果を見比べて、適切なプランを選びましょう。

自分で分解掃除する場合

費用を抑えたい場合は、自分でドラム式洗濯機の分解掃除を行うことも可能です。ただし、難易度が高く注意が必要です。自分で行う際の留意点をご紹介します。

必要な道具と作業手順

自分で分解掃除を行うには、以下の道具が必要になります。

• プラスドライバー
• マイナスドライバー
• ペンチ
• ブラシ
• 掃除機
• 中性洗剤

作業手順は以下の通りです。

1. 洗濯機の電源を切り、コードを抜く
2. 外装カバーを取り外す
3. 内部の各部品を分解する
4. ブラシと中性洗剤で汚れを落とす
5. 掃除機で残留したゴミを吸い取る
6. 乾燥させた後、逆の手順で組み立てる

特に注意が必要なのは、部品の位置と組み立て方を覚えておくことです。間違えると故障の原因となります。また、高圧の水を使わないなど、安全面にも気を付ける必要があります。

自分で行うデメリット

自分でドラム式洗濯機の分解掃除を行うデメリットは以下の通りです。

• 時間と手間がかかる
• 部品の紛失や組み立て間違いのリスクがある
• 徹底的な洗浄が難しい
• 洗濯機を故障させる可能性がある

特に、プロの作業と比べると洗浄が不十分になりがちです。また、細かい部品の取り扱いを誤ると、故障の原因にもなりかねません。自分で行うメリットはコストを抑えられる点ですが、リスクもあることを認識しておく必要があります。

まとめ

ドラム式洗濯機は、適切なメンテナンスを行えば10年以上の長期使用が可能です。分解掃除は、内部のゴミ・カビの蓄積を防ぎ、故障リスクを下げる上で欠かせないメンテナンスです。

一般的には1年に1回の分解掃除が推奨されますが、乳幼児や高齢者がいる家庭、アレルギー体質の方がいる場合は半年に1回や3ヶ月に1回の頻度が望ましいでしょう。また、乾燥機能付きの洗濯機は汚れが溜まりやすいため、同様に1年に1回の分解掃除をおすすめします。

分解掃除はプロに依頼するのが無難ですが、費用を抑えたい場合は自分で行うこともできます。ただし、難易度が高く、部品の紛失や洗浄が不十分になるリスクがあることに留意しましょう。

ドラム式洗濯機を長く使い続けるためには、定期的な分解掃除が不可欠です。タイミングを逃さず、適切なメンテナンスを心がけましょう。