はじめに
ドラム式洗濯機は家庭で大活躍の家電製品ですが、使い続けていると内部に汚れが蓄積し、性能が低下してしまいます。そこで、分解掃除を自分で行うことで洗濯機を長く使えるようになります。本記事では、特に日立製のドラム式洗濯機を中心に、分解掃除の方法や注意点、実際の体験談などをご紹介します。
分解掃除の手順
ドラム式洗濯機の分解掃除は一見難しそうですが、適切な手順と工具があれば自分でも行えます。まずは基本的な分解掃除の流れをご紹介しましょう。
事前準備
分解掃除に必要な工具を揃えましょう。プラスドライバー、マイナスドライバー、ピックアップツール、掃除機、雑巾などが必要になります。また、作業スペースを確保し、洗濯機の電源を切り、ホースやコードを外しておくことが重要です。
工具が揃ったら、洗濯機の取扱説明書をよく読んで、分解の手順を確認しましょう。製品によって手順は異なるので、この点は非常に重要です。
外装の分解
まずは外装パーツを取り外していきます。洗剤ケースや乾燥フィルター、前面パネル、側面カバーなどを順に外していきましょう。ネジを外す際は、落とさないよう注意が必要です。
外装を外すと、洗濯槽の周りにたまったゴミが見えてくるはずです。掃除機で吸い取ったり、ブラシで丁寧に掃除しましょう。
洗濯槽の掃除
洗濯槽自体の掃除は、分解掃除の中でも最も大変な作業です。日立製の洗濯機の場合、正面から洗濯槽を外すことができますが、固着していることが多いので注意が必要です。
洗濯槽を外せたら、内側の汚れをブラシなどで念入りに掃除します。お風呂用の洗剤や漂白剤を使うと効果的でしょう。洗浄後は完全に水分を拭き取ることが大切です。
乾燥経路のクリーニング
乾燥コースを使う際は、乾燥経路のクリーニングも重要になります。乾燥フィルターを取り外し、内部にたまったホコリやゴミを丁寧に取り除きます。
乾燥経路の掃除を怠ると、乾燥時間が長くなったり、カビや臭いの原因にもなるので、こまめに掃除するよう心掛けましょう。
日立製品の分解掃除
次に、日立製のドラム式洗濯機を例に、より具体的な分解掃除の方法を見ていきましょう。
日立ビートウォッシュの分解
日立の人気モデル「ビートウォッシュ」シリーズは、洗濯槽を正面から外すことができる点が特徴的です。ただし、洗濯槽が固着していることが多いので、ネジを外してもすぐには外れません。
洗濯機の前面パネルとドアパッキンを外し、洗濯槽の裏側にあるパルセーターを固定しているネジを外すと、洗濯槽が取り外せるようになります。洗濯槽の下にはゴムパッキンがあり、これも外す必要があります。
構造上の注意点
日立のドラム式洗濯機は、洗濯槽とドラムユニットを一体化させた特殊な構造を採用しています。このため、分解時に注意が必要です。
例えば、ビートウォッシュの場合、洗濯・乾燥コースごとに排水溝が分かれており、乾燥時の水分は別々の経路で排出されます。このような構造上の特殊性を理解して、丁寧に分解と掃除を行う必要があります。
モデル名 | 構造上の特徴 | 注意点 |
---|---|---|
ビートウォッシュ | 洗濯・乾燥の排水経路が分かれている | 排水溝のクリーニングが欠かせない |
ヒートリサイクル | 熱交換器が内蔵されている | 熱交換器の掃除が必須 |
メリットとデメリット
日立製のドラム式洗濯機は、構造が複雑な分、分解掃除が一般的な洗濯機よりも難易度が高くなります。一方で、徹底的な掃除ができるのがメリットです。
自分で分解掃除を行えば、洗濯機の性能を長期間維持できますし、故障のリスクも下げられます。ただし、誤った分解で故障した場合、メーカー保証が受けられなくなる可能性があるので注意が必要です。
プロに依頼するメリット
ドラム式洗濯機の分解掃除は、自分で行うには少し難易度が高い作業です。そこで、プロのクリーニング業者に依頼するメリットを見ていきましょう。
確実な洗浄
プロのクリーニング業者なら、ドラム式洗濯機の構造をよく理解しており、確実な分解と洗浄が可能です。特に日立製品は構造が特殊なので、専門知識がなければ完全な洗浄は難しいでしょう。
業者による洗浄なら、洗濯槽の裏側や排水経路の奥までしっかりと掃除してくれます。自分で行うよりも、はるかに綿密な洗浄が期待できます。
安全性の確保
洗濯機は電気製品であり、誤った分解で感電や故障のリスクがあります。一方、プロの業者なら、安全に配慮した確実な作業が可能です。
また、分解時の破損トラブルなどに備え、損害保険にも加入しているケースが多いです。自分で分解する際のリスクを考えると、業者に依頼するメリットは大きいと言えるでしょう。
日頃のメンテナンス
分解掃除とともに大切なのが、日頃からのメンテナンスです。こまめな掃除と適切な使い方で、ドラム式洗濯機の性能を長く維持することができます。
洗剤の使い過ぎに注意
洗剤を使い過ぎると、洗濯槽の内側に泡が残り、カビや雑菌の原因になります。洗剤は適量を使うよう心掛けましょう。
また、柔軟剤なども控えめに使うことをおすすめします。過剰に使うと汚れが付着しやすくなり、洗濯物の臭いの原因にもなるからです。
乾燥後の自然乾燥を
乾燥コースを使った後は、洗濯機のフタを開けたままに放置しましょう。自然に乾燥させることで、カビの繁殖を防ぐことができます。
フタを閉めたままにしていると、内部が湿気ったままの状態になり、カビが発生しやすくなってしまいます。少し面倒でも、この習慣をつけることが大切です。
洗濯槽クリーナーの活用
分解掃除は定期的に行いますが、その間も洗濯槽の掃除は欠かせません。市販の洗濯槽クリーナーを使って、こまめに洗浄するようにしましょう。
特に日立製品は洗濯槽を取り外せないため、クリーナーでの掃除が重要になります。においの原因にもなるカビや雑菌の繁殖を防ぐためにも、クリーナーの活用がおすすめです。
まとめ
ドラム式洗濯機の分解掃除は一見難しそうですが、正しい方法と工具があれば自分でも行えます。日立製品は構造が特殊なので、注意が必要ですが、徹底的な掃除ができるメリットもあります。
一方で、分解掃除は労力がかかり、リスクもあるため、プロの業者に依頼するのも現実的な選択肢です。確実な洗浄と安全性が期待できるうえ、構造の違いにも対応してくれます。
どちらを選ぶにしても、日頃からのメンテナンスが重要です。洗剤の使い過ぎに注意し、乾燥後は自然乾燥させる、洗濯槽クリーナーを活用するなどして、ドラム式洗濯機の性能を長く維持していきましょう。